ついかっとなって買ってしまった。

よーくかんがえよー、お金はだいじだよー。るーる、るーるるるるー
とは、幼女とかわいい動物が保険への加入を説得してくるコマーシャルで使用されていたテーマソングであるが、幼女+かわいい動物というのは、非常に非情な取り合わせである。キミは昔、グースという映画があったのはご存知かな。金曜ロードショーくんだりで放映されていたことがあるので、見たことがあるひともいるだろうが、見ていないキミにも分かりやすく説明すると、「かわいい女の子が自ら軽飛行機の操縦桿をにぎり、16羽の鳥を越冬地まで導いていくというハートフル冒険映画」だ。このわずか50文字程度で表現される内容の映画だが、そのテーマゆえに批判するやつは徹底的に迫害されるという、「いつの時代の踏み絵だ」と怒鳴りたくなるような映画であり、そのように批判する小生は徹底的に迫害され、今、校舎の隅っこでパイプ椅子に腰掛け、縮こまっている。
幼女に限らず、幼児+動物の破壊力はおぞましいことこの上ない。何者の批判も寄せ付けないその魔力は、いったいどこから来るのだろうか。すべての原因はプラズマにある。と言ったひとがいるとかいう話を聞くが、プラズマからかわいさが生まれてくるのか。それなら俺は喜んで次世代原子炉の開発に賛成するぜ。と校舎の片隅でぼやいているが、ぼやきながら振り返った2月初頭の大学校舎には、なぜか高校生があふれかえっていた。
入試である。入学者選抜試験の開催された2月の初頭、僕は私は小生は、校舎の片隅で、入試会場周辺に異常がないかを確認するというアルバイトに従事していた。田舎の、さらに奥まったところにある、田舎界のエルドラドといわれる我が学び舎に進入しようという人はそれだけで頭の中に圧力鍋でも詰まっているのではないかと疑わずにはいられないが、頭の中に圧力鍋が入っているびっくり人間がそんなに大勢いるわけもなく、寒風吹きすさぶ2月の空の下、ひたすらに座っているだけという、傍から見たら永平寺の学僧と間違えられても仕方がないアルバイトをこなし、永平寺の学僧であれば精神力を鍛えられ、ストイックとは何かを体得できるころ、ワタクシはアルバイト給与をいただいた。まさしく時間と精神力を換金した行為であった。そう、お金は大事なのである。よく考えなくても、幼女やアヒルに説得されないでも、働けば分かるのだ、お金は大事だと。でも宮崎あおいには説得されたい。

さて、若干の変態性が垣間見れたところで、この大事なお金をいかに使ったか、皆様方にお知らせいたそう。
まず結論から申し上げると、デジタル一眼レフカメラを購入した。もう少し詳しく述べるならば、ニコン社製のD40というエントリーモデルを購入した次第である。つまりはコレである。

一眼レフカメラなど、個人にとっては趣味に使うおもちゃである。然れども、いにしえより高価ないいものであるというステレオタイプが定着しているものでもある。そう、私はいいものを買ったのである。実にうれしい。ただし困ったことがある。私は関西に住んでいるのだ。
関西地区に住まうもの、いいものを買うのは常識である。そんなことよりも、いいものをいかに安く買ったか、が勝ち組と負け組み(表現古いな)を分かつ分岐点である。ということで、これから私はいかに安くデジタル一眼レフカメラを買ったか、ということを自慢しなければならないが、そんなことを仔細に書き綴っても、なんら面白くないであろうから、結論から申し上げると、かなり安く買えた。具体的には本日現在のamazon価格より、一万円ほど安く買えた。いいだろー。
で、ニコン社のパンフレットもいただいた。カメラを買ったのに、まだパンフレットとな。おほん。とナメてかかったのだが、そのパンフレットには各種交換レンズの大きさ、効用、価格などなどが具に書かれており、それぞれのページを眺めていると、おほん、このレンズではこんなことができるのね、あはん、なるほど、こっちはすごくズームができるのか。などなどの効用が、価格とともに脳内に侵入し、そこで一種のアドレナリンに似た化学物質が異常に分泌された結果、以前より欲しくて欲しくて堪らなかったデジタル一眼レフを購入したのに、ちっともすっきり物欲は収まらず、然れども預金残高は底をつき、株式は赤字、為替は円高、あるいは本当に越前が永平寺で修行をすべきだろうか。それでも列車内に吊り下げられた消費者金融のポスター、あるいはクレジットカードの広告がフラッシュバックした背景で、BGMはよーくかんがえよー、お金は大事だよ。


るーる、るーるるるるー