[雑記」猫戦う、with neco,neko,and俺

銭湯の帰道、道の真ん中で猫が座っていた。茶色い、短毛の猫。
近づいても、逃げる気配ないから、「こんばんは、どこの家の子かな」
なんて、フレンドリーに話かけたら、茶色猫も、フレンドリーに擦り寄って来て、おうおう、可愛いなぁ、お前、人懐こいやんけ。
てな具合で、足に擦り寄ってくる茶色を眺めていた刹那、「ふぐあ!」と吼えた茶色。俺の脛に猫パンチ。

突然のことに呆然としていると、茶色は2メートルほど後ろに飛び下がって、ふぐあ、ふぐあ!と二回吼えた。

俺は、悲しくなって隣のガソリンスタンドの、閉店後の事務所を眺めた。そして誰もいないことを今一度確認し、曇り空を見上げたのち、もう一度茶色を見やった。
茶色は、再び道路の真ん中に座り込んで、出会った瞬間と同じように、俺のほうを見ていた。
脛の痛みと猫の目と。