有栖川宮記念公園

かくれんぼ調査第二回は、有栖川宮記念公園である。
広尾駅から歩いて3分くらい、ナショナルマーケットの目の前にある公園だ。広さは東西、南北ともに約400メートルと、かくれんぼには手ごろな広さである。

有栖川宮記念公園データ

住所
東京都港区南麻布
最寄り駅
地下鉄日比谷線広尾駅
分類
都市型整備類カップル家族目
最適人数
8〜25人
かくれんぼランク
中級

各国大使館が軒を連ねる広尾らしく、公園内もインターナショナルな雰囲気に満ち満ちている。諸外国の家族連れがキャッチボールなどを楽しむ姿を見ることができるこの公園でかくれんぼを広めることができれば、Hide and Seekではなく「Kakurembo」が世界語として定着することも夢ではない。

それでは早速レポートに移りたい。

全体的な特徴

フィールドは大きく二つに分けることができる。ひとつは公園東側の図書館を中心とする台地ゾーン。もうひとつは池を中心とする低地ゾーンである。後に記載する地図をごらんいただければ分かるが、公園を東西に等高線が通っている。また、池に流れ込む川は谷を形成しているため、全体的に高低差のあるかくれんぼフィールドとなっている。
立地条件もよく、また、手入れが行き届いているため、かくれんぼデートにはうってつけであろうが、われわれのような硬派かくれんぼチームには、そんなこと知ったこっちゃない。

低地ゾーン

広尾駅側には池が広がり、釣りをしているひとが見受けられる。隠れ場所としては、池の周囲に点在する低〜中層ブッシュが中心となる。木も生えているが、かくれんぼに向く葉密度の高い低〜中木は少ない。


上画像は広尾駅側の入り口から入って左側を見たところである。
ぱっと見た感じは、隠れやすそうなブッシュが広がっているが、

裏に回られると丸見えである。また、ブッシュ自体の数も多くない。
池以外の低地ゾーンは、池に流れ込む渓谷部が大部分を占める。下画像は渓谷部の入り口付近から分岐する小道を撮影したものであるが、高低差があるのがお分かりだろうか。

ブッシュも薄めであり、また高低差もあるため、上下方面からの防衛が必要となる。このあたりを隠れエリアに選定する場合、事前に中田商店などでそれなりの装備をそろえておく必要があるだろう。

渓谷自体は、このようになっている。木が張り出していたりして、なかなか隠れやすそうだが、前述のように妙に手入れがされているため、実は隠れ勝手は良くない。まったく、港区は誰のために公園を作っているのだろう。
渓谷を進んでいくと滝にぶち当たる。

ライトな修行にはもってこいの高さである。公園へのアクセスを考えると、常時修行者が空席待ちをしていても良さそうなものだが、この日は修行者の姿が見受けられなかった。修行者に変装するのも良いだろう。
また、滝の上には橋が架かっており、橋の下はなかなかの好隠れポイントだが、そういうところには常にプロフェッショナルが陣取っているのがこの世界の常である。われわれカクレンジャーは所詮アマチュアであるから、彼らのようなプロの邪魔をしないのがモットーである。

台地ゾーン

丁度滝の辺りを等高線(崖)が通っており、ここから先が台地ゾーンである。
台地ゾーンには図書館、公衆便所、用途の分からない施設などが存在するため、それらの影を利用するのはかくれんぼのセオリーであるが、有栖川宮記念公園の場合、それら建物のほとんどがスクエアかつソリッドであり、単純なかくれんぼ目的での利用には、工夫が必要と言える。

たとえば、これ。一見公衆便所だが、じつは違う。実際何に使っているのか判断できない建物であり、真四角のその形は、かくれんぼには不向きな形状と言えよう。



台地ゾーンにはいくつかの広場が存在し、集合、解散の際にも便利な構造となっているが、かなり見通しのよい場所もあり、オニの待機場所は選定が必要といえるだろう。
また、特に広場周りは手入れが行き届いており、ブッシュも極低層のササ類がほとんどであった。極低層ブッシュに高低差が加わり、隠れ場所としては絶望的である。かくれんぼの社会的地位の低さを象徴する光景と言えるだろう。今後はかくれんぼの社会的地位を向上させるための提言を行うことも必要と言わざるを得ない。


台地ゾーンの中央には図書館がデンと居座っている。図書館の周りには中層ブッシュが広がっており、そこそこの隠れ場所となるであろう。
図書館の裏側には駐車場があり、その周囲はわりと濃いブッシュが広がっており、隠れやすい。

おそらく人気スポットになるであろうから、この場所に隠れようとするひとは、スタートダッシュが肝要といえるだろう。

総評

人口密度は、このレベルの公園にしてはやや少なめ。ただし、場所によってばらつきがあり、渓谷部はときおりカップルが散歩する程度だが、台地部の広場ではかなり多くの人が見受けられる。
大人かくれんぼの大敵である子供密度も、比較的低いが、やはり遊具近くでは多くの子供が見受けられる。有栖川宮記念公園の特徴として、インターナショナルな子供が多いため、特に絡まれないよう注意が必要だ。
隠れ場所もあまり多いとは言えず、テクニックを要求される場所も多い。立地は良いが、全くの初心者にはオススメできないフィールドである。変装も、特徴的な格好をしている集団があるわけではなく、しいて言うなら釣り人の変装程度が無難なところだろう。
ところどころに銅像があるため、銅像の変装をするのも良いだろうが、以下のような銅像のため、あまりネタ方向に走らない方が良い。

看板も各種外国語が併記されており、インターナショナルを感じさせるフィールドであった。

最後に、フィールドマップを添付したのでよろしければお使い下さい。

総合評価:★★★(最高評価★5つ)

このレポートが皆様のかくれんぼライフの一助となれば幸いです。